税と社会保障の共通番号制度の法制化

 

 平成236月に政府・与党の社会保障改革検討本部は、「社会保障・税番号大綱」を決定し「共通番号制度」の構築に関する案をまとめました。この社会保障・税に関わる共通番号制度は、国民一人ひとりに「共通番号」を割り振るとされており、年金、医療、介護保険、福祉、労働保険、税務等の分野に限定して利用される予定です。

 今回は、制度の概要と効果、今後の動向について、ご説明します。

 

① 共通番号制度の概要と導入の目的

 共通番号制度は、国民一人ひとりに固有の番号「マイナンバー」を付して、社会保障給付、納税手続き、その他行政サービスの利用に活用する制度です。個々人の状況に応じた社会保障サービスを受けられることだけでなく、行政手続きも簡略化され、利便性の高い制度と説明されております。

 導入の目的については、社会保障制度と税制を一体的に捉え、所得等の情報を把握し、それらの情報を社会保障や税の分野で効果的に活用し、災害時でも安心できる社会保障サービスの提供等、国・地方で情報連携することで国民生活を支える社会的基盤を構築することとしております。

 

② 制度導入による効果

 制度の導入により、所得情報の正確性を向上させることができ、社会保障制度や税制において、国民一人ひとりの所得・自己負担等の状況に応じたきめ細やかな制度設計されるとしております。

 具体的に制度の利用は下記の内容になります。

 ⅰ)社会保障、医療介護

  ・高額医療制度の現物給付化

  ・給付過誤や給付漏れ、二重給付等の防止

  ・年金手帳、医療保険証等の機能の一元化

 ⅱ)税務

  ・所得把握の精度向上

  ・PCより自己の申告や納付履歴の確認、確定申告時に必要な情報(社会保険料控除、

   医療費控除等)の確認が可能

  ・法定調書の提出に係る事業者負担の軽減、電子申告の一元化

  ・申告時の各種添付書類の一部省略化

 ⅲ)その他

  ・災害時における活用(本人確認、要援護者リストの作成、医療情報等)  等

 

③ 今後の動向

 平成23年秋以降、国会へ法案を提出する計画で、法案成立後、第三者機関を設置する予定です。平成26年6月に個人に「番号」、法人等に「法人番号」の交付が行われ、平成271月以降に社会保障分野、税務分野から可能な範囲で「番号」の利用を開始する予定です。

 少子高齢化社会を迎え、従来以上に社会保障と税を一体と捉えて、より正確な所得情報に基づいて適切な所得配分の議論が行われております。今後、年金医療の財源確保のために消費税の税率引き上げの議論も含め、共通番号制度の導入により、税制への影響は大きいものと考えられます。今後とも政府の動向に注目されます。